茜庵

ものづくり

【第二回】あっことあんこの
こしあん作り

自宅でつくる季節の和菓子「あっことあんこ」
第一回の「桜餅」編は、お楽しみいただけましたでしょうか。

さてさて今回は、桜餅の回にて
「とにかく深い」と話題になった、あんこ作りに挑戦です。

ご縁は深く、実は20年来(!)のお付き合い。
私たちが、あっこちゃんを和菓子づくりに誘った経緯について、詳しくはこちらから。

あっこ:
師匠、深いんですよね。

あんこは深いですよ、の表情。

松村:
深いですよ。あんこは・・深い。

とにかく深いあんこ、材料はこちらです。

【あっことあんこの、こしあん】


材料  (こしあん520g分)
・小豆 300g
・グラニュー糖 270g
・水 
*目がどんどん細かくなるように、ざるやオタマが必要です。

あっこ:
材料はシンプルですよね。
松村:
はい。こしあん作りには、とにかく綺麗な水をたっぷりと使うこと、それから、目(網目)の細かいざるで濾していきますので、ざるやオタマが必要になります。ちなみに茜庵では、こしあんは北海小豆にこだわって使っています。北海道産の小豆ですね。

あっこ:
豆によって味ってちがうんですか?
松村:
(北海小豆は)小豆本来の上品な風味がしっかりとたつ豆やと、私は思います。なので、茜庵ではこしあんにはこの豆を使います。

調理前は、余裕の表情。あっこちゃん、この後は濾し作業で、わりと大変な目にあいます。

まずは、くつくつ茹でていきます。

松村:
小豆をよくあらったのち、水を加えて強火で沸かせます。水の量は、豆から5センチほど上を目安に。
一度沸騰したところで、「びっくり水」を加えます。
あっこ:
びっくり水!?豆、びっくりさせますか。

松村:
はい。豆をびっくりさせてやって、中までしっかり湯分を通します。
再沸騰したら、ザルにあげて水で洗う。これを二度ほど繰り返します。

松村:
続いて、本煮。沸騰したのちは、豆が動きすぎないように火加減を注意してやりながら、弱火で炊いていきます。

途中アクがでてくるので、こまめに取り除いて、お湯が少なくなれば、お湯に浸かるよう、水加減も注意してください。
じっと見守るあっこちゃん。豆が指先で簡単に潰せるような硬さになったら、できあがり。ここまで約50分です。

さあ本番!裏濾しです

松村:
さあ、ここからがちょっと大変になりますよ。

豆と煮汁をザルにうつして、水道の水を細く流しながら、豆皮をとっていきましょう。
温度が下がったら、手のひらで濾して大丈夫です。

だんだんと網目を細かくして濾していってください。

細かければ細かいほど、口当たりのよいあんができます。

わー!貴重なあんが流れてしまう!ゆっくり、ゆっくり。

あっこ:
これは・・・家ではできん。茜庵では、これ毎回やるんですか。
松村:
そうなんです、深いでしょ。実は茜庵では、もっともっと目の細かいもので濾していきます。
あっこ:
あんこ、これから大事に食べよう・・
もくもくと手をうごかしながら、つぶやくあっこちゃん。この作業、5回続きます。

水になんども晒して絞ったら、生あんの完成です。

松村:
裏ごしがおわったところで、水に晒します。まずはたっぷりの水を入れてかき混ぜ、沈殿するまでまちます。

あっこ:
またなんどもなんどもこれを・・・
松村:
そうです。大変ですよね。好みですが、だいたい3〜4回は、したほうがいいかなと思います。
あっこ:
今日が終わったら、もう二度とせえへん気がするな(笑)

松村:
なんどもくりかえしていると、上澄み液が透き通ってきます。
そうしたら、晒し布でくるんでぎゅっと水分をとってください。


あっこちゃんの苦労の結晶、できました!

生あんに糖分をくわえて、こしあんの出来上がり。

松村:
おつかれさまでした。ここまできたら、完成は近いですよ。
お鍋に砂糖と水を沸かせて蜜をつくったら、3分の1ずつ、あんこを入れていきます。

あっこ:
これ(絞ったもの)は、あんこの元やったんですね。
松村:
そうです、そうです。煮詰め具合で、柔らかいあんこと、硬いあんこになりますね。そこはお好みで。

あっこ:
出ました、お好み。
松村:
焦げないように注意しながら、中火から強火をたもって、仕上げます。

ようやくできました!あっこちゃん!

さあ!いただきましょう

それでは恒例の、あっことあんこの、ティータイム。
松村:
お疲れ様でした。あんこの深さ・・伝わりましたか。

あっこ:
もう、ほんまに大事に食べようって思いました。あんこ大変。
松村:
なかなか根気がいるでしょ。生あんとこしあん、食べ比べてみると面白いですよ。
あっこ:
あんこのもと、初めて食べました!

松村:
次回は、この手作りあんこで、ほんわらびを包みましょう。
あっこ:
楽しみ!!ほんまに手作り100%ですね。

次回もよろしくお願いします。

おつかれさまでした!あっこちゃん。

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菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

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