【第八回】あっことあんこの
きんとん作り〜自宅で作れる季節の和菓子レシピ
自宅でつくる季節の和菓子「あっことあんこ」
八回目の今日は、いかにも和菓子!な一品が登場しますよ。
すごい和菓子がやってきた
松村:
あっこさん、今日は、きんとんをつくります。
あっこ:
師匠、今日は・・・すごい和菓子や。職人さんみたい。できるんかな・・・
大丈夫、大丈夫!今日の材料はこちらです。
【あっことあんこの きんとん】(9-10個分)
・つくね芋:50g
・上白糖:25g(お芋の半量)
・白あん:225g
・色粉:少々
*こしあん・つぶあんは、お好みで
これは 何だ
あっこ:
師匠、なんか すごいのきましたけど!
松村:
笑 これは、つくね芋ですね。薯蕷(じょうよ)とも呼ばれます。
上用まんじゅうの生地にも使う芋ですね。
あっこ:
高いんか安いんかわからんけど・・なんか高そう
松村:
そうですね 笑 和菓子の食材の中でも高級品の部類に入るかと思います。
この芋を、まずは、丁寧に水洗いして茶色いところがなくなるように、丁寧にむいてきます。
あっこ:
(黙々と皮をむきながら)・・・ん?なんか痒くなってきたかも
松村:
そうです 芋の皮むきは痒くなりますよね。職人も手が真っ赤になってしまう者もいます。
和菓子には欠かせない存在なんで、頑張るしかないんですけどね。
あっこ:
和菓子は厳しい世界や・・・
松村:
綺麗に皮がむけたところで、輪切りにして、せいろで15-20分ほど蒸します。
待っている間に、餡玉をまるめておきましょうか。15g程度です。
つぶあんとこしあんは、お好みで。
つくね芋を裏ごしして、きんとん生地に仕立てる。
あっこ:
焼き栗みたいないい匂いがしてきたー!
松村:
芋が蒸しあがりましたね。一切れずつとって、丁寧に裏ごししていきましょう。
続けて砂糖を1/3ほど入れ、熱を加えずに混ぜます。岡混ぜ(おかまぜ)といいます。
あっこ:
なんで、おか?
松村:
陸の意味のおかから来ています。火にかけないからですね。生地が少し柔らかくなったところで、残りの砂糖を少しずつ加え、火にかけて混ぜる。
これをもう一度裏ごしして、今度は白あんと岡混ぜ。
以上で、きんとん生地が完成です。
さあ本番!そぼろ状に飾り付けて完成です。
松村:
まずは生地に色をつけていきましょう。今回は、二種類作るので、赤と緑。
あっこ:
色つけは、少しずつ、ですよね。師匠。
松村:
そうです。生地によく揉み込んで・・・濃くなりすぎないように。様子をみながらやっていきましょう。
松村:
さて、ここからが本番ですね。生地を藤の篩(ふるい)に通して、そぼろ状にしていきます。
あっこ:
おぉー・・・
松村:
続けてこのそぼろを、少しずつ餡玉に、くっつけていきますよ。
下から上に、そぼろの目をつぶさないように、優しくまあるく。
最後にちょっと小豆や白のそぼろをちらして、景色をつけてあげましょう。
あっこ:
可愛いー!おしゃれになった!
松村:
色違いのそぼろを縦に使い分けると、咲き分けきんとんもできますよ。
あっこ:
あかん、台形や・・・なかなか丸くするのが難しいです。師匠。
松村:
手を加えるほど崩れていきますから(笑)あまり気にせず、おおらかにまるく包んであげてください。
難しい!といいながらも、みるみる上達していくあっこちゃん。お疲れ様でした!
さあ恒例の、ティータイム。
あっこ:
師匠、必死やったから今更ですけど、このお菓子って何を表してるんですか?
松村:
紅白の咲き分けは、白梅と紅梅をイメージしました。
緑のほうは、松の雪。これも季節は冬、松の木に雪がかかっている景色。
豆は松ぼっくりをイメージしました。梅に松。これからお正月にかけても、いい意匠だと思います。
あっこ:
おせちの横に、これがあったら確かにすごい華やか。
手間がかかるお菓子だけれど、その分 味わいは格別。お疲れ様でした、あっこちゃん!