菓游 茜庵
四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。
長月の喫茶に、ようこそ。

のびやかに唄う虫が 秋を誘います
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども」
今月は、古今和歌集の名歌にヒントを得て。

焦がれるような夏もいいけれど、しみじみと深まる秋も愛おしいーwabi-sabiのDNAは確かに自分にも息づいているなと、思うわけです。

芋名月になぞらえまして、芋栗で仕立てた季節の葛焼き。

一息ついて、ああ、美味しい。
夏から、秋へ。

深みと奥行きを意識した秋の室礼となりました。

9月の行事といえば、「重陽の節句」-別名菊の節句(詳しくはこちら)。それから、お月見。

咲きしより 水のあきをも白菊の 花の香遠き流れをぞ汲む
「水」は「水」「見ず」の掛詞
「あき」は「秋」「飽き」の掛詞
「しら」は「知ら(ず)」「白(菊)」の掛詞
(咲いたと思うと白菊の花は秋の水の流れに乗って、その香りは遠い所でも汲み上げて薫ることよ)
いかにもこの季節の襟を正してくれるような、骨太の文字は
室町から戦国の世を生き抜いた公家にして歌人、冷泉政為の書。
応仁の乱を生き抜いた御人、僧門で暁覚と名を改めてからの歌となります。

花入は、魯山人による 麦藁手の古染付。


弘入の赤楽に、遠州好みの鮟鱇茶入れをあわせましたら、

竹釣瓶の手桶が、場をひきしめます。
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。

柄杓の合(水を汲む部位)が 満月に見えるわね、と
先日お客さまに素敵な見立てをいただきました。

瓢の水指も ぽっかりと、丸。

秋は消息、すだちの文の温かさ。
さて 秋を、はじめましょうか。
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しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。