
菓游 茜庵
四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。
白が、眩しい季節です。
和食の大家といえば、北大路魯山人。
京都から東京まで鮎を電車で運ばせた逸話は有名ですが、その魯山人でさえ、竹の子には旅をさせなかったー必ず産地で食するべしと書き残しています。
竹の子は光に敏感な野菜。光を感じるとかたくなり、あくも強くなる。
また、竹林は早朝までは水分を多く含むため、「朝掘り」こそが、新鮮で美味しい。
ほんのりと山椒でスパイスをきかせた、初夏のきんとん。おいしい竹の子の産地でもある、地元徳島の自然さまに感謝した一品です。
春から、夏へ。風が薫る季節の室礼を。
近衛文麿の一行とともに 師に教わったのは「雅味」という言葉。和の美のひとつをあらわす言葉が、しっくりとくるお軸。
袈裟にも使われるような絢爛な表具は、書き手との格をあわせた 真の装い。
青磁の花入の清々しさも、初夏の気分です。
香合は水鳥、棗は蕨の白漆。水指は真葛香斎の耳付花丸草花をあわせて、花鳥風月と遊びます。
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
余白が美しい、御所人形の軸。円山派 小西福年によるもの。初期は風景画を得意として国内各地で写生を重ねた彼は、将来の外遊に備えて漢学・英語まで学んだそう。
さらには能楽・茶道をも研修し画境を高めたのだという、その気概たるや。
水指と花入で 朱を、ひと匙。
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しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。