茜庵

卯月(4月)の喫茶のお菓子:朝堀きんとん

緑が深まる、季節です。

四月のお菓子の銘 「朝掘りきんとん」


和食の大家といえば、北大路魯山人。
京都から東京まで鮎を電車で運ばせた逸話は有名ですが、その魯山人でさえ、竹の子には旅をさせなかったー必ず産地で食するべしと書き残しています。

竹の子は光に敏感な野菜。光を感じるとかたくなり、あくも強くなる。
また、竹林は早朝までは水分を多く含むため、「朝掘り」こそが、新鮮で美味しい。

ほんのりと山椒でスパイスをきかせた、初夏のきんとん。おいしい竹の子の産地でもある、地元徳島の自然さまに感謝した一品です。

四月の本席(奥の八畳の茶室)のしつらい

風が薫る季節の室礼に、お楽しみ ひとつ。

徳島ゆかりの画家 守住貫魚の実娘、周魚(ちかな)の猫とネズミの大津絵。男性的な作風の武者絵に、京・祇園祭の唐織の図案にと マルチに活躍された 阿波女は、こんな画まで残しています。

教訓としては、ウマい話にはご用心、とでも言いましょうか。ねずみ、あやうし!

江戸時代、浮世絵と並ぶ二大民画と言われた大津絵。著名な画家が趣向を凝らして制作する一点物のアートではなく、名もなき画工が生活のためにせっせと描きつらねた、安価な庶民アートのこと。始まりこそ仏教画ではあったものの、やがては日常を描く風俗画やユーモアあふれる戯画などの要素を取り入れ、独自に発展していったとされています。
なかでも「猫と鼠」の大津絵は、ピカソも額装し、晩年までアトリエに大切に飾っていたそう。

水指は真葛香斎の耳付花丸草花をあわせて、花鳥風月と遊びます。

立礼席のしつらい

「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。

余白が美しい、御所人形の軸。円山派 小西福年によるもの。初期は風景画を得意として国内各地で写生を重ねた彼は、将来の外遊に備えて漢学・英語まで学んだそう。

さらには能楽・茶道をも研修し画境を高めたのだという、その気概たるや。

水指で 朱を、ひと匙。
・・・・
しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。

菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

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