茜庵

「育てるうつわ」
木の道具を、長くつかう。

木目の出方は、ひとつひとつ違うから。

ひとつひとつに個性がある木製の道具は、
そっと添えるだけで、涼やかさも温もりも
自在に表現してくれる、万能選手。
熱の伝導率が低いので、熱いものにも触れやすく、
杯に良し匙にも良しな使い勝手も嬉しいところ。

茜庵でも、お客様をお菓子をお出しする際に
黒文字(くろもじ)は、日々何十本と使用します。

黒文字とは:いわば、木製の和菓子のナイフ。
ちょっとだけ、事前に水でしめらせてから、お客様にお出しする。
それだけで、口に運ぶ際にお菓子と黒文字がくっつかなくなりますよ。

コップに立てずに、広げて乾かす。それだけで。

黒文字に、木のスプーン。日々使って思うことに
大敵は、どうやら小さなカビ。
一時期、梅雨時の茜庵でも
フチの黒ずみに悩まされることがありました。
あれでもないしこれでもないしとさぐったあと、
どうやら重ねて保管していたのが原因という結論に。

水洗いの後に、しっかりと広げて干すことで
今では悩み知らずとなりました。

白いタオルにのびのび広げて、かわかします。

お道具は、ひとつひとつ 呼吸をさせてあげること。

長くいい関係を築こうと思うには、
まず、相手のことを理解しようとすること。
それは、人も道具も、同じことなんだと
日々のお手入れのなかで、気付かされます。
働きものたち、明日も元気で、お客様のお口をよろこばせにいってくださいね。

黒文字に、口紅がついてしまった!そんなときも、はやめが肝心。中性洗剤をたっぷりとスポンジに含ませて、しっかり洗うと、落ちますよ。

菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

菓游 茜庵のこと

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