茜庵

知っておきたい、
手水の作法

厄払いや 七五三、新年のお参りに神社にいったとき
必ず見かけるのが、この手水。
「ちょうず」とも「てみず」とも読みます。

ええと、どうするんだったっけな・・と
横の人の作法を横目で、チラり。
慣れない着物をきているときには、特に失敗したくないけれど
実はこの手水、「なぜするのか」さえ覚えてしまえば
細かな作法を忘れてしまっても、自然と動作がついてくるので
とっさに困ることがありません。

手水の基本の考えは「洗い清め」と「思いやり」です。
・手水の意味は、心まで洗い清めること。
・和の精神で、次の人への心遣いを忘れないこと。

手と口は、禊の簡略化。
具体的な作法をみていきます。
・右手で柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み、左手にかけて清めます。
・柄杓を左手に持ち替え、同じように右手を清めます。
・再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受け、その水を口にふくんですすぎます。
・口をすすぎ終えたら、改めて水を左手にかけます。
・最後に柄杓の持ち手に水を流してから、伏せて置きます。

茜庵のつくばいの手水鉢。冬には霜が降りて、その風情もまた楽しめます。

この作法をひとつひとつみていくと、
「清めの作業」と「思いやり」が共存していることがわかります。
・口をすすぐ際、直接柄杓を口につけず、自分の手をつかうこと
・使い終わった柄杓は、持ち手に水を流し清めてから次の人に渡すこと
これらは、「次に使う人への思いやり」の動作です。

ちなみにお茶の席に招かれたときにも、手水と似た形で「つくばい」の手水鉢で、
清めを行います。
茶室の外は露地(ろじ)という庭になっていて
亭主に迎えられた後、
つくばいで身を清めてから、茶席に入ります。

「作法」ときくと、ひとつひとつを間違ってはならない!となんだか構えてしまいますが、
その源にある「なぜ」?をひとつ、知るだけで、心も軽くなる気がします。
和菓子屋は、お客様と和のはしごにもなる場所。お茶やお菓子、和にまつわるそんなことを、少しずつお伝えできたら嬉しく思います。

菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

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