茜庵

どこまでこだわる?
大安、仏滅・・「六曜(ろくよう)」との上手なお付き合い

大安・仏滅、大丈夫!?

和菓子屋という職業柄、
ご案内の際に特に意識するしきたりの一つが、この「六曜」(ろくよう)。
お客様の大切な贈り先に失礼のないよう
そして、お客様ご自身に、恥ずかしい思いをさせてしまうことのないように・・

お電話でのご注文時は、まずはサっとカレンダーに
目を走らせるところから、ご案内がはじまります。

ところがいざ自分のこととなりますと、
大安はお客様の大切な慶事のお菓子の準備に手いっぱい。
自分の祝いごとは、すっかり後まわしになってしまうことも、
しょっちゅうです。

今回は、この「六曜」の生い立ちと、
私たちの日々の暮らしに上手に取り入れていく方法について、
考えをめぐらせてみたいと思います。

六曜(ろくよう)プロフィールを、簡単に。

まずは、それぞれの日にちの特徴を、簡単に。
大安:
「大いに安し」、つまりはもっとも吉日とされ、
成功しないことが無い(!)と言われる一日。
結婚式などのお祝いごとにもっとも適した日とされます。
先勝:
「先んずれば勝つ」万事急ぐのが良いとされていて、
午前が吉・午後が凶とされます。
先負:
反対に「先んずれば負け」とされるのがこの日。
ゆっくりと行いましょう、午前が凶・午後が吉。
友引:
もともとは「勝負事で引き分けになる=共引」が語源。
現在でも信じる人は多く、お祝いごとでは大安の次によい日。
一方で、火葬場はお休みとなる地域が多いのだとか。
仏滅:
お釈迦様の入滅(2/15)とは実は関係がない(!!)ものの、
「仏も滅する大凶日」とされるこの日は、
お祝いごとに加えて、お見舞いなども控えるのがよいとされる1日。
赤口(しゃっこう):
午(うま)の刻=11〜13時のみ吉。
それ以外は凶とされ、火の元にも注意すべきとされています。

どう付き合う?六曜と私の暮らし

「何をやってもダメ!」なんて言われると、なんだか悲しくなりますが
とはいえ、ご挨拶に伺うには、この週末しかどうしても空いていない・・・
そんなこともしょっちゅう。
そんなとき、何か指針になるようなものがあればいいのになあと、
以前から思っていました。

六曜ってそもそも、どこからきたの?

六曜とは、古代中国から室町時代に伝わったとされるもの。
日ごとに吉凶・運勢が定められていますが、
勝負事に関する内容が多く、また根拠がはっきりとしないため、
最近では手帳やカレンダーに記載されることも少なくなっています。

カレンダー売り場にて、デザインや大きさはぴったり好みなのだけれど、
六曜が載っていない!と、頭を悩ませることも最近は増えてきました・・
けれどもこの六曜、私たちの生活の知恵として
長年にわたって受け継がれてきたことも、また事実。

どう付き合う? 六曜と私の暮らし。

まだまだ模索中ではありますが、
いま考えているのは、たとえば、以下のようなマイルール。

ルール1:まずは相手のことを最優先に。

贈り先が目上の方の場合は、万事失礼がないように、吉日を優先。
かわって子育て中の友人へのプレゼントや共働きの家庭への
贈り物を届ける時には、必ずしも吉日でなくても、
週末などのタイミングを重視して、迎える側の負担を極力減らします。

ルール2:お見舞いは、仏滅の日はさける。

気は、心。少しのことでも気分が滅入りがちな入院時、
お見舞いする側としてなるべく良い日や時間帯を選ぶ、
心配りをしたいと思います。

ルール3:「一度しかないこと」には、慎重に。

結婚式や不祝儀など、一度きりの行事もあれば、
子供の祝いごとなど、この先何度も続く行事も。
その際、特にしきたりを意識したいのは、前者の「一度きり」の行事のほう。
かわって何度も重なるお祝いごとへのお祝いや御礼は、
心遣いが伝わることを重視して、吉日にはこだわりすぎないように。

30歳を過ぎたころから、
「さりげない所作の美しさ」に
心ひかれるようになりました。

無理をせず、上手につきあう。
和のしきたりのルーツを紐解きながら、
少しずつ、自分に合うルールを整えるとともに、
お客さまの暮らしに寄り添うご案内ができればと思います。

この記事で紹介したお菓子

紅白まんじゅう

腰高の上用まんじゅうは、日本の幸せのかたち。慶事ごとはもちろん、「おまんじゅう、ある?」と来店されるお客さま、おひとつからご用意できますよ。
全て手包みで蒸しあげますので、前日までにご予約をお願いいたします。
商品ページへ

菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

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