不祝儀の予備知識:
「お通夜見舞い」いざというとき、抑えておきたい3つのこと。
それは、いつも突然のこと。
庵で店番をしておりますと、スーツ姿で
慌てて駆け込んでいらっしゃることも多い、不祝儀のお菓子。
「縁起でもない!」と敬遠されがちな、不祝儀のしきたり。
けれども、大切な方を見送るときは、いつも突然にやってくるもの。
先日私も、祖父を見送る機会がありました。
あっけらかんとした最期だったけれども、それでも
喪服は、お数珠は・・と気ばかり焦ったもの。
そんな時こそ微力ながら頼れる菓子屋でありたいと、
少しだけお話をさせていただければと思います。
その1:お通夜見舞いとは
通夜見舞いとは、夜通し故人の傍に付きそう遺族や親戚を気遣い、
差し入れるものを指します。地方によっては別名もあり、
「夜伽(よとぎ)見舞い」と呼ばれることも。
最近では、通夜は葬儀や告別式に参列できない人が弔問する場という
イメージが強いのですが、もともとは、肉親や親しい仲間が、
ロウソクや線香の火を守りながら故人とともに、夜を過ごす場所。
通夜見舞いとは、そのような方々が「(お夜食の心配をせず)夜に軽くつまめるように…」という
心遣いから持参する品物です。
その2:どう選ぶ?お通夜見舞いのお菓子のマナー
お通夜見舞いが「少しでも近親者の負担を減らそうという心くばり」
であることから、切り分ける必要がある竿菓子(さおがし)などは避けて、
個包装になったものをおすすめしています。
また、翌日の葬儀の訪問者にも配りやすいよう、
日持ちが2日以上のものを選ぶのもひとつ。
「不幸が重ならないように」段重ねのお菓子はご法度とされますので、
ご注意ください。数量が必要な場合は、大きな平箱でのご用意が
良いようにも思います。
3:お熨斗の選びかた
「夜伽お見舞い」「お通夜見舞い」どちらの名義も、同じ意味。
先様も急なことに慌ただしく動いているはず。お熨斗に自身の名前を入れておくと、
後から「これは誰からのお品なのか」分からなくなることが無いので、
遣いにつながるかもしれません。
茜庵では、お急ぎの場合、あらかじめお電話をいただければ
ご来店時に極力お待たせせずに、ご用意させていただきます。
人生の節目は、何かと気持ちが焦ってしまうもの。
大切な人とのお別れの場であれば、なおのこと。
そんな時こそ、どうぞ頼ってくださいね、と
この場をかりて、お伝えできればと思います。