茜庵

葉月(8月)のお菓子:夏景色

暑さのなか、ようこそお越しくださいました。

蚊取りも 日陰でひとやすみ。

八月のお菓子の銘:「夏景色」

青い空をみあげますと
もくもくと おいしそうな雲が広がっていて
美味しそうだなあ と思ったり
気持ち良さそうだなあ と、思ったり。

そんな気持ちを お菓子に仕立てて。
・錦玉製
・ミントの爽やかさを添えて

夏は、いかにも涼しきように。


夏の茶席に使われる茶碗には、
平たいものや、涼しげなガラス製の器が登場します。
茶の極意を記した「利休七則」の一説、「夏は いかにも涼しきように」。今月のお菓子も茶席も、この原則を軸にしたコーディネート。

八月の本席(奥の八畳の茶室)のしつらい

今月の畳のお席は さっぱりとシンプルにまとめます。

・お軸 白雲清流水 
・香合 虫かご
・水指 竹張釣瓶水指
・棗 住之江

お軸の読み方は、「はくうんりゅうすいきよし」
白雲も流水も共に無心であり、一切のかたよりもない、清々しさがあるという意味。
今風にいえば「とらわれない生き方」、とでもいいましょうか。
しつらいも 火の気配をなるべく遠ざけ、一層涼やかに。

きらりと技がひかる、虫籠の香合も 夏の気分です。

立礼席のしつらい

「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。

・お軸   瓢箪の画賛
・茶碗  露草
・棗   ギヤマン  


まずは ひょうひょうと描かれたお軸に、ご注目。「うかうかと 暮らすようでも 瓢箪の 胸のあたりに しめくくりあり」お軸の意味は、長くなりますので最後に。

ギヤマンとは、ガラスの古語。江戸時代、ダイヤモンドを呼んだことば。転じて、カットガラスの総称となりました。


夏の要素を、優しく散りばめて。

・・さて、お軸。瓢箪という存在を、愛のある目で見つめてみれば
ひょうたんは、スイカのように暑気払いの風味はないけれど
軽くて中は空っぽで無欲だからこそ、瓢箪を友として、酒を入れ腰に携え、或いは、駒を出して楽しむことができる。
瓜の仲間だけれど包丁で切られる憂き目にもあわず、鯰を入れるのにもちょうどいい。
羽柴秀吉の馬印になった暁には、強敵を討ち破る。
何の役にも 立たないようで、実際は、これ いかに。

ドキ。
・・・・
しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。

菓游 茜庵

四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。

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