菓游 茜庵
四国徳島城跡をのぞんで佇む、静かな菓子の庵。 上質ながら、遊びごころあるお菓子づくりを大切にしています。 心地よく和と暮らすお手伝いができれば幸いです。
はつはるを、ことほぎて。
睦月の喫茶に、ようこそお越しくださいました。
新春のお菓子は、枕草子の一節から。「木の花は、濃きも薄きも紅梅。」-花といえば、やっぱり梅だよね、と詠んだのは清少納言。
生地にすっと 一枝。切り分けると、紅と薄墨の、二重あん。大徳寺をしのばせたのは、大人のアクセント。
お花見といえば梅、の時代に思いをはせて。干支の茶碗もまた、睦月の気分です。
今月は、めでたづくしで華やぐ室礼。
鶴に、松。干支ものは赤べこで、ちょっとおとぼけ。
松ぼっくりの取手で、遊びを加えた水差しに
お軸は鵬雲斎の「寿色」 。
お菓子にちなんだ、蝋梅とともに。
「立礼席(りゅうれいせき)」とは、椅子とテーブルの茶室。
茜庵本店で喫茶をご利用のお客様には、こちらのスペースでお菓子をお楽しみいただきます。
水差しは「砂金袋」、こちらも取手がチャーミング。
やっぱり梅だよね、の女流作家にちなんで、こちらのお席も白梅。あわせたのは「松寿千年翆」(しょうじゅせんねんのみどり)、淡々斎の書。
福鈴を足元にあしらって。
あたりまえのことが、当たり前に迎えられることの喜びを 深く感じた、子の年。
丑の一年は、ゆっくりと一歩ずつ、前にむかう一年となりますように。
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しつらいとは、和のコーディネート遊びのようなもの。
リラックスしてお菓子を召し上がっていただけるだけで何よりですが、しつらいの遊び心まで覗き見ていただくと、ちょっとお楽しみが増えるかもしれません。